同じ譜面を読み、同じテンポで演奏しているのに、ある演奏は生き生きとして、別の演奏は平板に聞こえる。拍に合っているのに、なぜかノれない。クリックと一致しているのに、音楽にならない。
音楽力学は、こうした問いに言葉と構造を与えようとする試みである。音の並びそのものではなく、音がどのように音楽として立ち上がるのかを、時間の感じ方という視点から問う。
リズムとは速さでも記号でもなく、時間の感じ方である。その感じ方がいかに生まれ、いかに共有され、いかに深くなるのか。本ページでは、その理論的骨格を概述する。